演劇部とは全く関係ないんですが、観てきました「ミスト」。
奇才フランク・ダラボン監督&スティーブン・キング原作のホラー映画です。記録的嵐の翌日、買い出しに出かけた主人公と坊やが、スーパーごと濃い霧の中に閉じこめられてしまいます。そして霧の中には「何か」が…。この設定だけでもう十分に怖いですが、実はこの映画の見所は、店内に閉じこめられた人々の織りなす群衆劇だったりします。逃げ場のない恐怖に怯え、少しずつ理性を失い「権威」にすがり始める善良なハズの人々。その中で次第に孤立してゆく主人公たち。絶望に支配されて行く人間心理が、巧みに描かれていて見応えがあります。【以下ちょっとネタバレそして観ている観客までが、いつの間にか登場人物たちと一緒に「絶望」に囚われてしまっているというのが、この映画の一番の仕掛けなのでしょう。】
音響の見事な処もポイントですね。人々がスーパーに閉じこめられた時、遠くから聞こえてくるサイレンには、恐ろしいほどの不安がかき立てられて、ぞくぞくするような効果を上げています。それとエンドロール。エンディング曲は早々に終わってしまって、後はSEが延々と続きます。観客は最後まで、主人公と一緒になった気分でいなければなりません。彼の行動のあれこれをずっと考えさせられる、上手い演出でした。
それにしても、埼玉県でこの映画を観られる映画館が少ない! 私は熊谷まで足を伸ばさざるを得ませんでした。レイトショーだと終電がないんです(泣)。近所のシネコンには、「何とか少女」だとか「何とか王子」だとか「何とか鬼ごっこ」だとかばかりでなく、こういう腹にもたれるような作品も上映してもらいたいものです。

