本番6日前

昨日の天気とは打って変わって怪しい雲行きです。午前中、駐輪場の片付けをしてから、午後は7場の稽古。この場のポイントはとにかく下人。とにかくD口。下人が苦悩の後に晴れ晴れと闇に生まれ換わる場面を説得力のあるものにしないといけません。もう、頭掻きむしって転げ回ってのたうち回って呻いて喚いて叫んで絶叫して、普段なら絶対にそこまでしない程感情を爆発させている内に、何だか吹っ切れて来たというか解放されてきたというか。そこで、今までの駄目出しを忘れて思うように動けと指示してみたら、これが何だかいけそうな手応えを感じます。そこで最後に通し稽古をしてみました。
これがどうしてどうして、中々面白かったんです。新鮮なやり取りと表現が随所にみられて、しかもキャストたちの会話があちこちで噛み合って。何よりもU原が弾けていたことと、D口が最後まで下人であり続けたこと。そして彼の心の移り変わる様が、観ている側に届いていたこと。K山の芝居にも沢山の工夫とひらめきが感じられました。その上、途中から雷が鳴り始めて、思いがけずも舞台効果満点。当日も今日みたく雷鳴らないかしら。
後はM呂だ。早く捻挫直すんだ。というか直って下さい。
2008 年 9 月 のアーカイブ
一歩前進
2008 年 9 月 21 日 日曜日汚し
2008 年 9 月 20 日 土曜日本番1週間前

台風一過で爽やかな秋晴れです。台風は地球の自転によるコリオリの力が原因で反時計回りに渦を巻くので、東に抜けると北風を呼び込むのですね(豆知識)。
午前中は合宿所で第3~4場を手直し。ちょっと思いついてあざとい演出つけてみましたが、これ後から考えたら、第1場のクライマックスと動きが被るかもしれません。うーん、困った。
午後はK藤先生も加わって、駐輪場で大道具の汚し。元々ペンキがムラになっているので不要かなとも思ってたんですが、文化祭の時A澤に「今年は手抜きましたね」とか云われて悔しかったので。今回は水刷毛でグラデーション塗装に挑戦です。コンセプトは雨漏りの染みの表現。やりすぎると嫌味ですが、熱中するとついついやりすぎてしまうのが良くないところ。でもまぁ、こんなもんでしょう。
最後に合宿所に戻って第7場を返して上がりました。D口がほんのちょっとだけ前進。遅い! もっと早く仕上がれ。来週の今頃は本番終わってるんだからな。
お籠もり
2008 年 9 月 19 日 金曜日
今日も今日とて合宿所にお籠もりです。「お籠もり」と聞くと、「明烏」を連想する顧問は落語フリークです。とりわけ故志ん朝師匠の「ああ、あそこはお前、霊験あらたかだよ」などは大好きですね。
さて、第3場、下人と髪の女の会話のシーンを抜き稽古。D口が少しずつ掴みかけているらしいのですが、まだ変な癖が色々あって邪魔をしています。一方U原は、笑いの演技は実に上手なんですが、泣くのが下手。「ちょっとそこで『泣き』入れてみて」と注文しても、「へあぁ~…」とか云ってテンションが下がるだけなんですね。
もうK藤先生と一緒になって、二人をいじめまくって。8時過ぎたので最後の場通しをしたら、何故かいきなり良い出来。どうしたのかと思ってよく観ると、自分の不甲斐なさにU原がベソかいていたのでした。道理で「泣き」にリアリティがあった訳です。よし、これからこのシーンはこれで行こう!
でもよく考えたら、夜中の8時過ぎに女子高生泣かせて喜んでるんですから、とんでもない奴です、この顧問は。
大変だぁ
2008 年 9 月 18 日 木曜日えらいことになりました。M呂が負傷です。本人はニコニコしてますが、右足首にギプス巻いて松葉杖付いた姿で合宿所にやってきました。体育の時間にバスケしてて、右足の甲から着地して捻挫したのだとか。だ、大丈夫か? というか、君はキャストなんだが…平安時代に松葉杖はなかったよなぁ。とにかく、一刻も早く完治してね。
オープニングから2場まで抜き稽古しましたが、昨日の出来が嘘のよう。
女、もっと夢中になってテンションあげて。人の身から足を踏み外しかけた狂気をはらんで、下人を翻弄して嘲笑して。あと一歩踏み込む勇気を出すんだ。
下人、形をなぞろうとせず、共演者に意識を集中して。薄暗い屋内に腐敗した死体に囲まれて、この世の無常と己の矮小さを感じ取って。気持ちがちゃんと作れれば、台詞は必ず自分の言葉になるから。
8時過ぎまでかかって、ちょっとだけ前進。その調子。小さな一歩ですが大きな跳躍(知らないよね)。
ブレイクスルー
2008 年 9 月 17 日 水曜日
冒頭のシーンがついに姿を現しました。やはり鍵を握っていたのは髪の女役のU原でした。下人を嘲り追い詰める姿を、吹っ切れたように狂気を思いっ切り誇張して演じることで、あれ程堅かったD口の殻をも粉砕し、思いもかけない演技を引き出してさえくれたのです。ハイテンションで密度が高く、思わず見入ってしまうような10分間でした。この芝居の稽古で初めて、「よい出来」と言える場面が立ち上がり、とても幸せな気分で上がりました。これで「掴んで」くれるといいんですが。
ただし余りのハイテンションに、U原ってば場面の終わり近くで息切れして、台詞が喋れなくなるのです。「暑い。疲れたー。もう駄目」とか云ってます。その調子で残り40分を突っ走らなきゃいけないんだ。基礎体力つけなきゃ。
静かなる男
2008 年 9 月 16 日 火曜日下人が新しい生き方に目覚めた時の、晴れ晴れと笑う演技に苦労しています。当人は一所懸命笑っているんですが、何か変。肩と肘と手首と膝と背中に─つまり全身に─力が入っていて、笑った体になっていません。顔もどう見ても笑っていない。笑い声も「あ」「は」「は」「はー」みたいな。
「普段笑うことってないの?」と聞くと、「ありません」ですって。そういえば、U原とかK山とかS谷とかS石とかM呂とか、他の部員はケタケタコロコロ笑うところを見ますけど、D口のはあんまし覚えがないことに、今日気づきました。今までは単に「物静かな奴」だと思ってたんですが、実は「笑わざる男」だったのか!
先が見えてきた…のか?
2008 年 9 月 15 日 月曜日
連休の3日目です。演劇部は毎日毎日合宿所詰めで稽古三昧。午前中は子供と下人のシーンを抜き。M呂は完全な初心者なんですが、駄目を直せるようになってきたのが素晴らしい。まだ自分からあれこれ工夫することは出来ないようですが、そんなのはもっと先でいいです。肝心なのは、直れること(日本語変ですが)。一方D口は、直されれば直されるほど出来なくなっていきます。形より気持ちから入った方がいいねお前さんは。
このシーンはどうにか仕上がりつつある手応えです。
午後は昨日ヘロヘロだったラストシーンを抜き稽古。ビデオ撮影して、管理室のモニターで自分たちの演技を確認しながら返してみました。ねぇD口よ、形だけは腕組んでるけど、お前さんのは全然考えてないでしょ? それからU原。そこは「おのれっ!」じゃなくて、「ぅおぬぉるえぇぇぇ!」なんだってば。
最後に冒頭のシーンを抜き稽古。女の不安定さを誇張してみたら、何だかちょっといい感じです。稽古に入って2ヶ月近く。長かったトンネルもやっと出口が見えて…きたのか? 本当に出口なのか? いつの間にかUターンしてて、実は入り口だったりしてないか?
…ああ、不安。
「あぁ」
2008 年 9 月 14 日 日曜日
昨日に引き続き、クライマックス。女の「良いことではないか」を受けた下人の台詞「あぁ、確かに良いことだろう。俺にとっては」がどうしても不自然なので、そこだけ延々と小返し。2時間くらい繰り返したでしょうか。でも秩父農工科学高校のW林先生などは、他の共演者を待たせたまま、たった2行の台詞を一日中直したことがおありだそうですから、わずか2時間程度は普通のことですね。その後も高笑いの練習でD口が貧血を起こしたり。おまけに、昨日・今日と組んずほぐれつの乱闘稽古で、U原の脚は青あざだらけ。あちこちに貼られたサロンパスが痛々しいです。
最後に蛇の女と下人の絡み。「もっと冷淡に、氷のように冷え冷えとやってくれ」という注文に、自分のイメージと違うらしいK山は不満そうです。ブツブツ言いながらも、手を叩かれるとスルッと演じられてしまう処が不思議。お前は北島マヤですか。
十五夜でした。まだ地平線に近いので多少赤みがかかっていましたが、合宿所前からくっきりとした満月が望めました。ちなみに、低い満月が赤いのは、夕陽が赤いのと同じ原理によるものです(豆知識)。
パンフ完成
2008 年 9 月 13 日 土曜日
午前中は秋大のパンフ印刷と製本。本校には帳合い機と紙折り機があるので、ちょくちょく地区大会のパンフレット係に立候補するのです。
各校からいただいた原稿を上演順に並べて、袋とじ見開きになるよう左と右を組み合わせて印刷します。←ここで結構間違えがち。その後帳合い機にかけてページ順に並べ替えて、最後に紙折り機で二つ折りにします。昔はこれを全部手作業でやっていたのかと考えると、文明の恩恵って奴をひしひしと感じます。後は綴じる機械があれば完璧なんですが、流石にそこは手作業で、大型のホチキスで地道にカッチョンカッチョンと綴じて完成です。
午後は子供と下人の絡みを抜き稽古。干し肉を食べるパントマイムがあります。ありありとリアリティをもって無対象の干し肉を食べよう、美味しそうに。「加持祈祷」のイントネーションも気をつけて。
夕方からはD口とU原でクライマックスシーンの小返し。途中から買い出しから戻ったK籐先生が演出に加わって、俄然良くなってきました。K籐先生は高校演劇出身で、昔県大に出場した経験を持っています。流石、演出をつける腕前は顧問が感心する位なのです。
ヂェントルマンD口
2008 年 9 月 12 日 金曜日
ラストシーンの抜き稽古。下人が女の命と着物を奪うシーンです。二人が組んずほぐれつして争う必要がありますが、互いに腰が引けて遠慮がち。もっと激しく相手にむしゃぶりつけ。生への執着を剥き出しにするんだ。
ああそれなのに、本当にもう! 「あ、すみません。大丈夫ですか?」なんて、どうしてお前はそんなに紳士なんだ?

こないだの実力テストの結果が出たようです。部長のU原、何とクラス1位の成績。学年11位です。残念ながら今の3年生には優良者がいないので、一昨年のS井以来久し振りの成績優良者です。「大したもんだ」と褒めたら、「1が並んで嬉しい」そうです。何か喜ぶポイントがずれてるぞお前は。