卒業式でした。式自体は、校歌斉唱の歌声が常になく大きかったり、答辞を読んだ男の子が途中で声を詰まらせたり、退場するクラスが口々に担任の名を呼び「ありがとう!」とか叫んだりと、それなりに結構盛り上がって、感動的なよい卒業式でした。式の後、演劇部は3F多目的室で恒例の送別会。在校生から寄せ書きと花束、顧問からは在学中の上演を収めたDVDセットが贈られて、3年生からは一言ずつ挨拶がありました。
T柳は、大道具と音響スタッフとして大変成長した男です。最初はナグリ一つ満足に持てませんでしたが、「人間未満」では、最初は顧問とA澤と三人で、後には顧問と二人三脚で、プール下の駐輪場でひたすら大道具を拵え続けたのは忘れがたい思い出です。キューが60ヶ所以上あったこの芝居でも冷静沈着なオペレート振りで、見事上南に「音響スタッフ賞」をもたらしてもくれました。電気屋さんからエアコンの筐体を調達してきたり、雨の中ずぶ濡れで材木屋さんを探してきたり、行動力も抜群で、頼りになるスタッフでした。
M口はストレートで短気な質で、よく周囲と衝突しては喧嘩していましたが、それでいて自然と周りを統率する不思議なリーダーシップがあって、飾らない人柄と気さくな性格で誰からも頼りにされるとてもよい部長でした。何時だったかミーティングで話がこじれかけた時、「一度決めたらみんなでやる!」と彼女がビシッと発した一言で、あっという間に決着が付いた時には感動すら覚えたものです。演技面でも、受け答え方が実に自然でよい役者でした。ただし、セリフ覚えがとてつもなく遅かったのが玉に瑕。
I村は不思議なフラがあって、下ネタと晩ご飯のおかずの話を同じ感じで話題に乗せても許されるような所があり、よく変な話で周りの者を和ませていました。台詞回しが舌足らずで、しかも体が硬くて一挙手一投足が一々ぎこちなくて、役者としてこれはどうかなという面が多々あるにも関わらず、温厚で柔らかい人柄が滲み出るような表現で、結果として一番適切な演技を一番多く舞台でやってのけたのが彼女だったように思います。おまけに、ここぞという時に簡単に涙が流せるのも強力な武器でした。挨拶の時に鼻の頭が赤くなっていたのはご愛敬。
K本は、1年生の時からいじられキャラでしかも泣き虫で、よく先輩にからかわれてはべそ掻いてましたが、いつの間にか確固たる地位を占めてしまって、最終的に、演劇部になくてはならぬ存在になり仰せてしまいました。先輩臭さを感じさせないその性格は、人間関係のクッションとして大変貴重なものでした。舞台では「見送る夏」の茉莉、「Never!#2」の木下、「人間未満」のP23、「夏芙蓉」のタマイと、一貫して三枚目を演じ続けてくれました。そして去年の全国大会では、NHKに出演して全国デビューを果たすという、偉業を達成したのも彼女でした。まさに郷土の誉れ。三橋の星だK本!
君達は、誰一人欠けても完成しないジグソーパズルのピースでした。もっともっと一緒に芝居作って遊んでいたかったけれど、卒業では致し方ありません。楽しい楽しい3年間をどうもありがとう。これからの前途が洋々である事と、幸多き事を心より祈ります。みんな元気で!

